公益財団法人中山隼雄科学技術文化財団

調査研究事業

研究成果発表会

 調査研究並びに助成研究を実施された研究者(国際交流助成者を除く。)は、全員毎年9月下旬に東京で開催する「研究成果発表会」に出席し、ご自身の研究成果を発表していただきます。又、第一線で活躍されている講師による講演も実施しております。研究者だけでなく、一般の方々にもご参加いただくことにしておりますので、発表会終了後は、立食パーティー方式の交流会を行い、研究者相互はもとより多くの方々に交流していただいております。

第23回研究成果発表会(平成28年9月23日開催)の様子

 当財団の調査研究及び助成研究の研究成果を発表する「第23回研究成果発表会」を、平成28年9月23日(金)に東京・大崎の大崎ブライトコアホールで開催し、平成26年度に助成し、平成27年度に実施された「調査研究」「助成研究」の成果を26名の研究者に発表していただきました。

 当日の模様を要約いたします。

開会のごあいさつ

 会の冒頭で、当財団理事長の中山晴喜が開会のあいさつを行いました。今年で24周年を迎えた財団の活動実績などを「600件を超える実に多種多様な研究成果が報告されてきた」と振り返ると共に「これからは、ゲームに関する研究のみならず、さまざまな領域の『人間と遊び』をキーワードとする研究や、普及啓発活動に対して積極的に助成し、ゆとりと活力ある社会の構築のために尽力してまいります」と述べました。


口頭発表

 テレビゲームが小学生の社会的適応性に及ぼす影響や、触覚の仮想現実などをテーマにした研究成果報告がありました。近年、社会においても高い関心を集めているテーマだけに、参加者は熱心にプレゼンテーションに耳を傾けていました。


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ポスター発表

 乳児の動作を計測する「おしゃぶりコントローラー」の実機展示をはじめ、子どもをテーマにした発表が多く見られました。また、一般から公募した「夢のゲーム」の入賞アイディアに基づく研究成果のデモンストレーションも行われていました。会場では、発表者同士が研究分野の違いを超えて交流し、あちこちに議論の輪が広がっていました。


 当財団は、こうした研究成果発表会を23年にわたって続けています。ベテランから若手まで、幅広い分野の研究者らが一堂に会し、さまざまな研究に触れ、交流を深めることによって、ゲームや遊びに関する研究がいっそう発展していくことが期待されます。


「夢のゲーム」アイデア大募集 受賞者紹介

 当財団では、研究者のみならず一般の方々にもゲーム研究に参加していただこうと、ゲームの手法を用いて社会的課題を解決する「夢のゲーム」のアイディアを公募しています。3回目となった今年は、応募総数286件の中から最優秀賞1点、優秀賞10点、ジュニア賞9点を選定。最優秀賞および優秀賞のテーマについては、調査研究を行う研究者を募集しています。会場では、「私があなたを支える」で優秀賞を受賞した村田茂雄さん、「発想力鍛錬ゲーム『コモナリティー』」でジュニア賞に選ばれた巻渕優也さんが登壇し、大きな拍手が送られました。
(左:村田さん、右:巻渕さん)



講演 白井 暁彦
(神奈川工科大学情報学部情報メディア学科准教授)

 今、次世代のIT産業を牽引する技術として注目されているのがVR(仮想現実)です。この分野における第一人者であり、神奈川工科大学情報学部情報メディア学科准教授の白井暁彦先生に、「挑戦:エンタテイメントシステムを社会にアタッチする」と題して講演を行っていただきました。

 白井先生は、まさに挑戦の連続だったという自身のユニークな経歴に触れるとともに、これまで携わってきた研究を振り返りました。「面白い体験を作る研究を数多く行ってきた」という言葉どおり、仮想物体を踏みつぶす感覚が楽しめる「ファンタスティック・ファントム・スリッパ」や、「マンガの世界に入り込む」というコンセプトで開発した「Manga Generator(マンガジェネレーター)」など、業界に多大なインパクトを与えたエンタテイメントシステムが次々と紹介され、会場は圧倒されました。

 そして、「遊びとは何か」という定義に始まり、自身の経験を踏まえながら、近年のゲーム研究やゲーム開発に対するさまざまな提言を行いました。特に、子どもの遊びを研究する上では、実験室にこもって集めたデータではなく、街中に出て子どもに自然な遊び環境の中で遊んでもらい、その反応を見るといった「パブリックデータ」を重視していることや、ゲーム開発においては「どのような人をターゲットにして、どのような楽しさを提供するのか」といった視点が不可欠であることを強調されました。また、「エンタテイメントシステムを社会にアタッチする」という点については、自治体との連携による、スマホ向け位置情報ゲームを活用した新たな地域振興の事例を紹介されました。

 最後に、「挑戦することは誰にでもできる。大切なのは、挑戦し続けること。そして、それを発信し続けること」と語った白井先生。その熱いメッセージに、参加者は研究への思いを新たにしたようです。


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講評

 会の締めくくりに、当財団の選考委員を務める成蹊大学名誉教授の渡邉一衛先生による講評が行われました。発表者が、情報科学をはじめ、小児医療、経済学などそれぞれの専門分野に立脚した優れた研究成果を上げていることを評価し、「これほど多様な分野の研究者を、『遊び』『ゲーム』というキーワードで一つに結びつけられるのは、当財団ならではの特徴。ぜひこの機会に交流を深め、視野を広げ、これからどのように遊びやゲームを研究し、創造していくべきかを考えてほしい」と呼びかけました。



交流会

 研究成果発表会終了後に、立食形式の交流会を開催しました。
 研究発表者、講演者を始めとする参加者が、発表内容などを中心に盛んに会話しながら楽しく交流されていました。


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